脂肪は運動開始直後から燃えている
運動を始めた直後は、主に血液中の糖質がエネルギーとして使われます。そして、その糖質の代わりに脂肪がエネルギーとして使われ始めるのが、運動開始から約20分後だといわれています。ただし、これは「20分経つまで脂肪は全く燃えない」という意味ではありません。糖質と比べると割合は少ないですが、運動開始直後から脂肪はちゃんとエネルギーとして消費されています。
「20分以上運動しないと意味がない」と思って諦めていた方もご安心ください。短時間の運動でもしっかり効果はあり、積み重ねが脂肪燃焼や体調改善につながっていきます。
脂肪が燃えやすいタイミング

脂肪は運動開始10分後くらいから徐々に燃焼が高まり、20分後くらいからは糖質よりも多く使われるようになります。体脂肪を減らすことを目的とするならば、20分以上の運動がより効果的ですが、10分間のウォーキングでも健康維持や体力向上には十分な効果があります。短時間でも「やらないよりやる」ことが大切です。
脂肪燃焼のカギは「運動強度」
運動時間だけでなく、運動強度も重要です。強度が高すぎると糖質が主に使われ、逆に低すぎても脂肪燃焼効果は低くなります。研究では、主観的運動強度で「ややきつい」と感じるレベル(最大酸素摂取量*の65%程度)が脂肪燃焼のピークであることが分かっています。ポイントは「ややきつい」と感じる強度で行うことです。
*全身持久力の指標。運動中に体内に取り込まれる酸素の最大量のこと。
有酸素運動と無酸素運動の違い

有酸素運動
脂肪を燃焼させるのに欠かせないのが有酸素運動です。脂肪は燃える際に多くの酸素を必要とするため、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど、息を切らさず長時間続けられる運動が効果的です。
無酸素運動
一方で、短距離走や筋トレのように短時間で強い力を発揮する運動は、主に糖質をエネルギー源とする「無酸素運動」です。短時間しか続けられませんが、筋肉量を増やし基礎代謝を高めることで、太りにくい体をつくる効果があります。
有酸素運動は酸素を使って「脂肪を燃焼」させるのが得意で、持久力アップや生活習慣病の予防に効果的です。一方、無酸素運動は「筋肉の強化」に直結し、基礎代謝を高めることで太りにくい体づくりに役立ちます。つまりどちらか一方だけではなく、脂肪燃焼と筋力強化の両方をバランスよく取り入れることが健康づくりには欠かせません。 たとえばウォーキングやジョギングに加えて、軽い筋トレを組み合わせることで効率よく体を変えていくことができます。
筋肉の種類

一般的な飲用量であれば、国際的にも安全性が認められていますが、以下のような点には注意が必要です。
有酸素運動と無酸素運動では、使う筋肉も異なります。
- 赤筋(遅筋) … 長時間収縮し続けられる筋肉で、持久系運動に活躍
- 白筋(速筋) … 瞬発的に大きな力を発揮でき、無酸素運動に活躍
それぞれの特徴を理解して、目的に合わせた運動を組み合わせていきましょう。
ちょっとした豆知識ですが、魚にも同じことがいえます。マグロやカツオのような回遊魚は、長距離を泳ぎ続けるために遅筋(赤筋)が多く、そのため身が赤いのです。一方、ヒラメやタイなどあまり長距離を泳がない魚は速筋(白筋)が多く、身が白いのが特徴です
管理栄養士からアドバイス

運動の効果を高めるには、栄養面の工夫も大切です。
- 運動前:軽く糖質を補給してエネルギー切れを防ぐ(例:バナナ、おにぎりなど)
- 運動後:タンパク質を意識して筋肉の回復をサポート(例:牛乳、ヨーグルト、大豆食品)
また、無理に長時間続けるよりも、短時間でも習慣的に続けることが脂肪燃焼にも筋力アップにもつながります。
まとめ
- 脂肪は運動開始直後から燃えている
- 脂肪燃焼のピークは「ややきつい」と感じる強度の有酸素運動
- 無酸素運動で筋肉を強化することで基礎代謝が高まり太りにくい体へ
- 有酸素運動+無酸素運動のバランスが健康づくりのポイント