1.なぜ16時間断食×運動の組み合わせが効果的なのか?
16時間断食×運動が若返りに効果的な理由はズバリこの3つ!
①細胞の大掃除とリサイクルが加速して代謝が良くなるから
②筋肉は維持しやすく、脂肪は落ちやすくなるから
③脳内のゴミを分解して、認知機能がアップできるから
それでは、この3つについて詳しく解説していきましょう。
2.16時間断食×運動で、細胞の大掃除とリサイクルが加速! 代謝がアップ!
もともと、16時間断食の効果のひとつに「細胞の大掃除とリサイクルを促す」という点があります。それに加えて、運動を取り入れることで、その効果が加速度的にアップ。結果的に、代謝のアップにもつながるのです。では、どのような仕組みでより効果的になるのでしょうか。その理由を紐解いていきましょう。
2-1.運動を組み合わせることでオートファジーがより活性化
オートファジーとは、細胞内にある出来の悪かった不良なタンパク質や、身体に悪さをする病原菌を自食し、浄化する大掃除のような作用のことです。このはたらきによって、細胞は内側からきれいになりながらリサイクルされ、新しく生まれ変わるのです。
細胞の飢餓によって活発化するオートファジーですが、実は同時に運動も行うことでさらに活発になることが分かっています。
オートファジーは全身の細胞で起こる作用ではありますが、最近では、特に動かした筋肉の細胞において、より作用が活性化すると判明しました。運動の内容や持続時間にもよりますが、運動は筋肉の細胞を壊すことで細胞の新陳代謝を促すのです。そう考えると、断食によって既にオートファジーが活性化されている状態で、さらに運動を加えることでオートファジーがより活発になるのも納得ですね。
2-2.運動を足すことで筋肉は維持しやすく、脂肪は落ちやすくなる
若返りには長時間の空腹をキープし、細胞に飢餓を感じさせることが重要で必要不可欠です。16時間断食によって細胞に栄養を与えないことでもともと備わっていた体脂肪からのエネルギー消費が高まり、オートファジーが誘発されて細胞のリサイクルも起きるのですが、残念なことに、筋肉は16時間断食中の飢餓によって分解が進むため、いつにも増して落ちやすい状況でもあるのです。
筋肉は運動による刺激やダメージが大きいほど分解されますが、それと同時に同じくらい身体の回復のために合成も活性化します。
つまり、16時間断食という筋肉が分解しやすい絶好のときに“ダメージの少ない適度な運動”をすることは、筋肉の分解だけでなく、合成のはたらきも活性化するため、筋肉の維持には効果的なのです。
2-3.運動を加えることで脳内のゴミを除去&認知機能アップ
血糖値やインスリンと聞くと、“肥満と関係しているもの”というイメージが強いと思いますが、実は認知機能にも大きく関係しています。
インスリンには血糖値を下げる機能だけではなく、脳のゴミを除去する“脳の清掃係”という役割もあるのです。
そのことが顕著に分かる例が、インスリンのはらたきが悪くなって起こる糖尿病の合併症の中には、アルツハイマー型認知症や、記憶障害が含まれることでしょう。インスリンのはたらきが悪くなると血糖値が高くなるばかりか、脳にどんどんゴミがたまってしまうことで脳のはたらきが悪くなり、認知症などにつながるのです。そのため、インスリンと脳の両方のはたらきを維持するためには運動が大事であることから、有酸素運動と計算などのゲームで脳を刺激する認知症予防・改善プログラムも開発されています。
このように、血糖値の正常化やインスリンのはたらきの改善には運動が有効であることは認知されていますが、実はその有効な改善方法の中に16時間断食も入るのです。
16時間断食の効果を最大限引き出すために望ましい食事は『まごわやさしい』(豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも)を基本にした食事を腹8分目を目安に食べることです。
もし『まごわやさしい』の食品を摂ることが難しく、重めの食事になったとしても、腹8分目で止めることができたら、少なくとも糖質の摂りすぎによるインスリンの過剰な分泌は防げます。
そのうえで運動も取り入れることもできたら、インスリンのはたらきを改善し、さらに向上させることができます。
3.ズバリ16時間断食中におすすめなのは有酸素運動
16時間断食中におすすめの運動は、ヨガやウォーキング、軽いジョギングや自重トレーニングなどの軽めの有酸素運動です。
散歩やジョギングなど、いわゆる有酸素運動で得られる若返り効果は大きく分けてふたつ。テロメアの発達と、脳の神経幹細胞増加です。
テロメアは加齢やストレスなどさまざまな要因によって短くなりますが、テロメアが長ければ長いほど寿命も長く、見た目年齢も若くなるといわれています。
脳の神経幹細胞は加齢と共に減少することで物忘れが増えたり、記憶力が低下しますが、大人になってからの運動でもその数をあらたに増やせることが分かっています。
3-1.楽しく会話しながら散歩するだけでも効果充分
16時間断食と組み合わせるのにおすすめな有酸素運動ですが、ただ黙々と運動するのではなく、言葉を発しながら身体を動かすことで、より認知機能を向上させられることが分かっています。
また、家族や友人など、一緒に楽しく会話しながら運動をともにできる相手を見つけることは、精神衛生にもよい影響をもたらしてくれます。せっかくなら、楽しく運動に取り組み、若返り効果だけでなく精神的な充実も図りたいものです。
3-2.さらに効果を求めたいならHIITがおすすめ
HIITとは、High Intensity Interval Training=高強度インターバルトレーニングのことです。HIITは、息ができないレベルの高強度(High Intensity)の運動と休憩を交互(Interval)に取り入れてトレーニング(Training)する運動のため、普段身体を動かす機会がない方にとっては、心身ともにハードルが高く感じられるかもしれません。
しかし、HIITはしっかりと正しい方法で行えば、ジムに通う必要やトレーニング用具を準備する必要がなく、室内にいながら取り組めるため、コロナ禍には特におすすめのトレーニングです。
また、最長でも30分以内で運動が完了するにも関わず、サーチュイン遺伝子を刺激し、かつ成長ホルモンの分泌を促す効果があるのです。
サーチュイン遺伝子の活性化はオートファジーを更に活発にし、老化した細胞を作らないはたらきを促します。また、別名「若返りホルモン」である成長ホルモンの分泌は、身体のさまざまな代謝を助け、健康的なボディラインや、肌のハリツヤなどの維持につながります。
体力に自信がある方や、運動に長い時間は取れないけれど隙間時間に取り組みたいという方、更なる若返り効果を求めたい方は、ぜひチャレンジしてみてください。
4.16時間断食中に筋トレは不向き
16時間断食中に組み合わせる運動は、身体を動かすことならば何でもよいというわけではありません。
「ボディラインをメイクするために、筋トレを組み合わせよう」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それはおすすめできません。
筋トレの効果でより多くの筋肉が破壊されると、オートファジーを活性化できて若返りに効果的なのでは?と思うかもしれませんが、16時間断食とハードな筋トレを組み合わせることはおすすめしません。その理由は、身体の回復に目を向けた時のデメリットの大きさにあります。
4-1.16時間断食中は身体の回復に時間がかかる
さまざまなメリットをもたらしてくれるオートファジーは、断食やカロリー制限によって誘発されますが、厳密にはアミノ酸=タンパク質の不足の察知が必要だといわれています。そのため、16時間断食をおこなう際は、お肉や魚などのタンパク質は控えめ、野菜サラダや豆腐など植物性食品多めといった工夫が必要です。
そのため、ハードなトレーニングで傷ついた筋肉を回復させるには、栄養の質に加えて供給時間においても不十分な状態になります。断食中は長時間筋肉に栄養を届けることができず、筋肉痛が長引く、体調不良になりやすい、などの懸念があります。本来トレーニングは、より健康的で強くたくましい身体づくりのために行うもの。しかし、16時間断食中のハードな筋トレは、せっかくのトレーニング成果を栄養不足によって無駄にしてしまう可能性が高いのです。
筋肉の分解ではなく合成、つまり回復に焦点を当てた時には、必須アミノ酸をよりく含む動物性タンパク質を摂取すること、そして空腹による細胞の飢餓状態をつくらないことが大切です。
つまり、オートファジーの活性化と筋肉の合成・回復は全くの正反対のはたらきであり、両者の効果を同時に求めることは不可能なのです。
日頃から筋トレ習慣のある方やハードなトレーニングをこなすアスリートの方も、16時間断食と運動を組み合わせてチャレンジしたい場合は、なるべく筋肉の損傷が少ない運動をしましょう。なかでも、先ほどご紹介したHIITは、筋肉の損傷が少ないながらも、さまざまな素晴らしい効果を期待できるので、おすすめです。
5.16時間断食中の運動で気を付けるべきポイント3選
5-1.【運動のタイミング】食事可能な8時間の中ならOK!ベストは食後2時間!
16時間断食に取り組む中でおすすめの運動は、軽い有酸素運動もしくは短時間で完了できるHIITですが、絶食時間中に行うことで低血糖を引き起こしてしまう可能性があります。
低血糖による影響は、軽ければ強い空腹感で済みますが、酷くなると冷や汗、動けないほどの脱力感、めまいなどを引き起こします。
生活や運動に使われるエネルギーである糖質は、肝臓や筋肉に蓄えれられていますが、おおよそ食後7~8時間のあいだに消費してしまうといわれています。16時間断食はそれよりも長い時間断食をします。ただでさえエネルギーが枯渇しやすい断食時間中に強度の強い運動をすることは、おすすめできません。
16時間断食中の運動は、『食事可能な8時間の中で、なおかつ食後2時間後のしっかりと体内にエネルギーがある状態』で行いましょう。
5-2.【食事】タンパク質量と糖質量に気をつけて
ボディメイクやダイエットの意識が高く、タンパク質摂取量を意識している方はなおのこと、タンパク質の過剰摂取と糖質の過剰な制限に注意が必要です。
タンパク質の摂取量は、植物性メインで手のひらサイズの量を目安にしましょう。食べ過ぎはNGです。
運動後の身体の回復のためには、トレーニング中のアミノ酸摂取や、食事で肉や魚等の動物性タンパク質をたっぷりと補うことが大切ですが、16時間断食中に限っては控えた方がよいでしょう。
タンパク質や動物性脂質を摂りすぎてしまうと、細胞が飢餓を感じずらく、オートファジーが起きにくくなってしまうからです。
普段から運動と高タンパク質な食事を心がけている方は、タンパク質不足が心配になるかもしれませんが、“一時的な栄養不足”によって、多くの若返り効果が得られることを忘れてはいけません。16時間断食中だけは、細胞の大掃除のつもりで、肉や魚は控えめにして、植物性食品を積極的に利用してみましょう。
オートファジーの活性化を第一優先に考えると、BCAAやEAAなどのアミノ酸の摂取も、16時間断食中に限っては控えたほうがより高い効果を望めるでしょう。
また、糖質量においても注意が必要です。
この数年でダイエットや健康のためにと、普段の食事からなるべく白米を抜いたり、夜はおかずだけ食べるといった『糖質制限』を取り入れる方も多いのではないでしょうか。実際、糖質を摂りすぎたり、使う場面がなく余った糖質があると、それがタンパク質と結びついて『AGE』という老化の原因物質がつくられてしまいます。そのため、“糖質制限はアンチエイジングによい”とする意見があります。
しかし、16時間断食中に糖質制限を同時にしてしまうと、タンパク質の摂りすぎにつながるばかりでなく、エネルギー切れで強い低血糖に陥る可能性があります。
16時間断食と糖質制限を同時に行うことはご法度です。
たとえ運動後で夜遅い食事になったとしても白ご飯は抜かずに食べましょう。身体のエネルギー減となる糖質はしっかりと摂りながらも、身体の材料となるタンパク質を控えめにすることで、細胞のリサイクルを促すといったイメージです。
ただし、1回の食事でどんぶりに大盛りの白米をかき込むといった食べ方は問題です。一気に白米を食べてしまうことで、血糖値の乱高下を引き起こし、身体で使いきれないくらいの糖質を大量に摂ってしまうことになります。
16時間断食中の身体のエネルギーを考慮すると、通常のごはん茶碗1杯分の量を、1日3回食べることは必要です。ごはん茶碗1杯分で物足りなさを感じる場合は、野菜や汁物をプラスすることで満足感を高めるといった工夫をするとよいでしょう。
5-3.【16時間断食×運動の継続期間】実施期間とお休み期間は2:1の割合に
健康的な心身を保ちながら、16時間断食と運動によって若返り効果を引き出すには、実施する期間とお休みの期間の両方を設けると、精神的なストレスもなく取り組めるでしょう。
実施期間とおやすみ期間の割合は2:1がベストです。16時間断食と運動によって“あえて身体を壊して作り変えるリセット・メンテナンス期間”と、“充分な量の栄養と休息を与えて身体を作る期間”に分けるイメージで設定します。
具体的には、実施期間2日に対してお休み期間1日が目安になりますので、4日実施したら2日休み、2週間継続したら1週間お休みといった間隔で行うとよいでしょう。
より早く若返りたいからと、16時間断食と運動の両方を長期間継続して行うことはあまりおすすめできません。
16時間断食と運動のふたつを組み合わせることで、より効果的に若返る理由はたくさんご紹介しました。しかし、長期間継続することで、身体にとって必要な栄養が不足してしまう可能性や、オートファジーによる細胞の分解が進むばかりで修復が進まなくなってしまう可能性があるからです。
肝臓や筋肉が蓄えられるエネルギー量や、身体の修復機能には限界があります。また、若々しい肌や肉体、気持ちの元となるものは、すべて、食事から得られた十分な量のタンパク質やビタミン、ミネラルです。
若々しさを保つためには、“栄養を絶って身体を壊すこと”と同じ、もしくはそれ以上に“栄養を摂って身体を作ること”も大事なのです。
まとめ
今回は16時間断食中におすすめの運動や、注意すべきポイントについてまとめました。
いずれも、特別なサプリや道具は必要なく、今すぐ実行できる最強の若返り方法であるとお分かりいただけたかと思います。健康で若々しい心身をこれからもずっと保ち続けるためにも、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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