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ストレスで食欲はどう変わる?やせる人・太る人がいる理由

ストレスで食欲はどう変わる?やせる人・太る人がいる理由

新生活が始まる春は生活リズムや人間関係が変わりやすく、知らないうちにストレスがたまりやすい時期です。すると「食欲がなくなって体重が落ちた」という人もいれば、「甘いものや間食が増えて体重が増えた」という人もいますよね。同じストレスでも、やせる人と太る人がいるのはなぜなのでしょうか。今回はストレスと食欲・体重の関係について、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。

Contents

ストレスが多いと、やせる?太る?

結論からいうと、ストレスが多いとやせることもあれば太ることもあります。というのも、ストレスを受けたときの心や体の反応や、そのときの食行動には個人差があるからです。

ストレスを感じると食欲が落ちてしまう人もいますし、反対に食べることで気持ちを落ち着かせようとして食事量が増える人もいます。そのため、体重の変化も一人ひとり異なるわけです。

大切なのは、「ストレスで太る」「ストレスでやせる」と一つに決めつけないこと。ストレスがかかると、食欲や食生活は思っている以上に揺れやすくなります。

では、なぜこうした変化が起こるのでしょうか。その背景のひとつとして関わっているのが、体の働きを無意識に調節している「自律神経」です。

食欲の変化に関わる「自律神経」とは?

私たちの体には、心臓や消化器、血管、汗腺などの働きを自分の意思とは関係なく調節している自律神経があります。
自律神経には、体を活動しやすい状態に整える「交感神経」と、消化・吸収・排泄しやすい状態に整える「副交感神経」があり、この2つがバランスをとりながら体調を保っています。

ストレスがかかると、このバランスが崩れて交感神経が優位になりやすくなります。すると、気持ちが落ち着かなくなったり、胃腸の調子が乱れたりして食欲にも影響が出てきます。

緊張すると食欲がなくなることがある一方で、ストレスが続くことで食生活が乱れやすくなることもあります。食欲の変化の背景には、こうした自律神経のバランスの乱れが関わっている場合があります。

ストレスで食欲が落ちやすいケース

強い緊張や不安を感じると、心拍数が上がったり、口が渇いたり、胃がきゅっと縮むように感じることがあります。こうしたときは心も体も休まらず、食事をゆっくり楽しむ余裕がなくなりがちです。

その結果、空腹を感じにくくなり、一時的に食事量が減って体重が落ちることもあります。これは健康的にやせたというより、ストレスの影響で食欲が低下している状態と考えたほうが自然でしょう。一時的な変化であれば、ストレスがやわらぐと食欲も戻ってくることがあります。食べられない状態が長く続くと、体力の低下や体調不良につながることもあるため注意したいところです。

ストレスで太りやすくなるケース

反対に、ストレスを感じたときに、甘いものや脂っこいものがほしくなったり、つい間食が増えたりする人もいます。疲れた気持ちを食べることでやわらげようとすると、食べる量が増えて体重が増えやすくなることがあります。

また、ストレスが続くと食事の時間が不規則になったり、早食いになったり、夜遅い時間の食事が増えたりしがちです。こうした食生活の乱れも、体重増加につながる一因です。「食べすぎてしまった」と自分を責めるより、まずはストレスがたまっていないか、生活リズムが乱れていないかを振り返ってみましょう。

大切なのは、体重より「変化に気づくこと」

ストレスによる体重変化で大切なのは、数字そのものに振り回されすぎないことです。やせたか太ったかだけでなく、食欲の変化が続いていないか、食事のリズムが崩れていないかに目を向けることがポイントです。

厚生労働省によると、ストレスが大きくなると、心の面だけでなく、身体面や行動面にも変化があらわれるとされており、身体面の例として食欲不振やだるさ、行動面の例として酒量やたばこの増加、作業効率の低下などが挙げられています。

たとえば「最近食欲がわかない」「気づくと食べすぎてしまう」「間食が増えた」「食事の時間が不規則になっている」といった変化は、心身に負担がかかっているサインかもしれません。

自分で簡単にできるストレス対策

ストレスによる食欲の変化をやわらげるには、食事だけを見直すのではなく、ストレスそのものに早めに気づいて対処することも大切です。ストレスを完全になくそうとするよりも、ため込みすぎる前にこまめにほどいていく意識を持てるとよいですね。

たとえば、次のような方法があります。

  • 緊張が続いていると感じたら、深呼吸をする
  • 肩や首を軽く動かす、ストレッチをする
  • 短い休憩を入れて、緊張した状態をいったん切る
  • 散歩や軽い体操など、無理なく続けやすい運動を取り入れる
  • 「頑張る対策」よりも、自分が続けやすい方法を選ぶ
  • たばこやお酒だけに頼りすぎない

管理栄養士からアドバイス

ストレスを感じているときは、「食べすぎないようにしなければ」と強く意識しすぎるよりも、まずは食事のリズムを大きく崩さないことを意識してみましょう。

朝は食欲がない日でも、飲み物やヨーグルト、果物など口にしやすいものを少しとる。昼食を抜かず、主食とたんぱく質をある程度そろえる。間食をする場合は、だらだら食べ続けるのではなく時間と量を決める。疲れている日は、完璧な食事を目指すより、まず「抜かないこと」を優先する。こうした小さな工夫でも、食欲や体重の揺れをやわらげる助けになります。

ストレスがあるときほど「きちんとやらなければ」と頑張りすぎてしまうことがありますが、食事も心身を整えるためのひとつの手段です。無理なく続けられることから取り入れていきましょう。

まとめ

  • ストレスが多いと、やせることも太ることもある
  • 体重の増減の背景には、自律神経のバランスの乱れが関係している場合がある
  • 大切なのは、体重の増減だけでなく食欲や食生活の変化に気づくこと
  • 深呼吸、軽い運動、ストレッチ、こまめな休憩など、自分に合うストレス対処法をもっておく

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