ロンジェビティとは何か

「ロンジェビティ(Longevity)」とは、直訳すれば「長寿」ですが、私たちが知っている意味とはまったく違います。これまでの長寿が「衰えてから、いかに長く生き延びるか」という話だったのに対し、ロンジェビティは「若々しい時間を、いかに終わらせないか」という一点を指しています。
例えば「キャリアロンジェビティ」という概念は、実年齢に左右されなくても生物的な若々しさがあれば働き続けられる、持続可能なキャリア形成をするという考え方です。
人々が生きていく中で、今が一番若いという状態を一日でも長くキープするために、自分の生活や食事、習慣をどう選んでいくかということや、その判断基準を手に入れることこそがロンジェビティの本質です。
なぜ老化を「管理」できる時代になったのか

これまで、老化とは防ぎようのないものであり、抗うことのできない運命のように考えられてきました。しかし最新の科学はその常識を根底から塗り替えつつあります。現在、老化は避けられない現象ではなく、細胞内で起きている「情報の不具合」の蓄積であるという捉え方が主流になってきています。
私たちの体には本来、自分自身を修復し若々しさを保つための「スイッチ」が備わっています。加齢とともにそのスイッチが入りにくくなることが、私たちが感じる「衰え」の正体ですが、重要なのはこのスイッチを意図的に「オン」にできる技術や手段が見つかりだしている点です。
特定の食事や運動、そして最新の研究で導き出された成分による介入。これらを組み合わせることで、細胞の修復機能を呼び戻し老化をコントロール下に置く。ロンジェビティとは、単なる夢物語ではなく、いま現実に手にすることができる「管理可能な技術」だということになります。
信じられない事実の積み重ねを把握する

今から100年前の1920年代、日本人の平均寿命は40代前半に過ぎませんでした。今の私たちが目の当たりにしている80歳を超える人生は、当時の人々には信じられないことだったはずです。
インターネットが登場したときも同じです。連絡手段が手紙や自宅の固定電話だったり、何かを調べるのにも辞書や専門誌が必要だった30年前、手のひらサイズの小さな端末で地球の裏側の人と顔を見て話し、あらゆる情報が瞬時で手に入ることが当たり前の社会になることを想像できていた人はほとんどいませんでした。
当時は「信じられない」と考えられていた未来でも、とてつもない早さで変化する近代社会では「それは事実」としていつのまにか目の前に訪れます。
ロンジェビティもこれらと同じ道を辿っています。 老化は抗えない運命であるという古い常識が、科学の力で確実にアップデートされようとしています。100年前から寿命が倍増したように、今度は老化そのものに人は介入をして管理し、何歳であっても全盛期の自分でいられる社会がすぐそこまで実装されてきているのです。
ロンジェビティという「新しい物差し」を持つ

老化を管理できるようになった今、私たちに必要なのは自分の体に対する「思い込み」を一度リセットすることです。これまでは「体調が悪くなってから何とかする」という考え方が当たり前でした。しかしロンジェビティという現実を知った私たちは、もっと早い段階で、自分の体の状態を自分で整えていく時代に入りつつあります。
それは10年後、20年後の自分を「今の元気なまま」でいさせるために、日々の食事や生活習慣、そして体に取り入れるものを、確かな根拠に基づいて「自分のために選ぶ」ということです。ただ食生活の改善とか適度の運動といった、これまで聞いてきた良いとされることに意識を向けるということではなく、自分の体の内側で起きていることを科学的に理解し、そこへ直接介入していくという考え方です。
「誰でも当てはまる」ではなく「自分に最適化されている」

これまでの『健康に良いこと』は、いわば誰にでも当てはまる平均点を目指すものでした。しかし、ロンジェビティはもっとパーソナルで、もっと攻めの姿勢です。細胞のスイッチをどう動かすか、最新の知見を味方につけて、自分のポテンシャルを最大限に引き出し続ける。いわば、自分の体という唯一無二の資産を、最高のコンディションで運営していくような感覚です。
まとめ

ロンジェビティとは、ただ寿命を延ばすことではありません。最新の科学を味方につけて、老化というプログラムの不具合に介入し、「全盛期の自分を終わらせない」という能動的な生き方です。100年前には想像もできなかった今の寿命が当たり前になったように、年齢という数字に縛られず、やりたいことをやり続けられる未来はもう目の前まで来ています。自分の体を運命に任せるのではなく、自らの意志で整えていく。その新しい物差しを持つことが当然の社会になります。

