Loading

ジャーナル記事

Journal

花粉症は食事で対策できる?知っておきたい栄養と生活習慣

花粉症は食事で対策できる?知っておきたい栄養と生活習慣

【この記事の監修者】

監修者プロフィール

山本友香梨(やまもと・ゆかり)

■肩書
管理栄養士
サプリメントアドバイザーとして栄養相談及び健康補助食品の接客販売を経験。その後は母校の大学助手として、マウスを用いた動物実験や人を対象とした臨床試験の研究に携わる。現在は阿部養庵堂薬品のヘルスコンサルタントとして、健康相談や製品説明などの窓口を担っている。
■所属学会・資格
食品衛生管理者・監視員、食育実践アドバイザー、日本臨床栄養協会

春先になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、花粉症の症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。毎年、「この時期が来たな…」と感じる方も少なくないかもしれません。花粉症は花粉によるアレルギー反応で起こりますが、日々の食生活や生活習慣も体調に影響する可能性があります。この記事では、花粉症の仕組みと食事との関係について、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。

Contents

花粉症とは

花粉症は、植物の花粉が原因となって起こるアレルギー疾患の一つです。鼻や目の粘膜に花粉が付着すると、体がそれを異物として認識し免疫反応が起こります。主な症状には、次のようなものがあります。

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ
  • 涙目

花粉症の症状は人によって強さが異なり、その年の花粉の飛散量や体調によっても感じ方が変わることがあります。日本では花粉症の患者数が増加しているといわれており、多くの人にとって身近な健康問題となっています。特にスギ花粉症は、日本で最も多いアレルギー疾患の一つです。

花粉症の原因となる花粉

花粉症の原因となる植物は地域や季節によって異なります。関東地方では主に次のような花粉が飛散します。

  • 2〜4月:スギ花粉
  • 4〜5月:ヒノキ花粉
  • 6〜8月:カモガヤなどのイネ科花粉
  • 8〜10月:ブタクサやヨモギなどの雑草花粉

花粉が体内に入ると、体はそれを排除しようとしてIgE抗体という免疫に関わる物質を作ります。IgE抗体が花粉と結びつくと、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。このヒスタミンが神経や血管を刺激することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が起こります。これらの反応は、体内に入った異物を外へ排出しようとする体の防御反応の一つと考えられています。また、目に付着した花粉も同様に、かゆみや涙を引き起こし、花粉を洗い流そうとする働きが起こります。

花粉症を悪化させる可能性のある生活習慣

花粉症は花粉が原因で起こりますが、次のような習慣は鼻や目の粘膜を刺激する場合があります。

  • アルコールの過剰摂取
  • 辛い料理の摂り過ぎ
  • 加工食品に偏った食生活
  • 喫煙

アルコールや香辛料は血管を拡張させる作用があるため、鼻の粘膜が腫れやすくなり、鼻づまりなどの症状を強く感じることがあります。また、花粉症の人は年々増加していますが、その一因として、食生活の変化が指摘されることもあります。例えば、肉類や脂質の多い食事が中心になり、野菜や食物繊維の摂取量が減少していることなどが、体調や免疫バランスに影響する可能性があると考えられています。

花粉症の季節に意識したい食事

花粉症対策として、食事や食品に関する研究も進められています。

発酵食品

ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内環境と関係する食品として知られています。腸には多くの免疫細胞が存在しており、腸内細菌のバランスが免疫機能に影響する可能性があるといわれています。そのため、ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品を日々の食事に取り入れることが、体調管理の一つとして注目されています。

甜茶

甜茶に含まれるポリフェノールには、アレルギー反応に関係するヒスタミンの働きを和らげる可能性があるとする研究報告もあります。

ただし、これらの食品を多く摂るだけで花粉症が大きく改善するとは限らないと考えられています。

花粉症の季節にとりたい栄養素

花粉症の症状を食事だけで大きく左右することは難しいと考えられていますが、体調管理の面から日々の栄養バランスを整えることは大切です。特に、免疫機能や体のコンディション維持に関わる栄養素を意識して摂ることが、花粉症の季節を健やかに過ごすための手助けになるかもしれません。

  • ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用を持つ栄養素で、体内で発生する活性酸素の働きを抑えることで健康維持に関わっています。また、アレルギー症状に関係するヒスタミンの働きとの関連が研究されており、体調管理の面から注目される栄養素の一つです。柑橘類、いちご、キウイフルーツ、ブロッコリーなどに多く含まれます。

  • ビタミンD

ビタミンDは免疫機能の調整に関わる栄養素として知られています。体の免疫反応は過剰に働くとアレルギー症状につながることもあるため、免疫バランスとの関連が研究されています。魚類、きのこ類、卵などに含まれ、日光を浴びることで体内でも合成されます。

  • 食物繊維

食物繊維は腸内環境を整えるうえで重要な成分です。野菜、きのこ、海藻、豆類などに多く含まれ、腸内細菌のバランスを保つ食生活に役立つと考えられています。腸には全身の免疫機能に関わる細胞が多く集まっているため、腸内環境を整えることがアレルギー対策を考えるうえでも注目されています。発酵食品とあわせて意識したい栄養素です。

花粉症の季節には特定の食品や栄養素に偏るのではなく、さまざまな食材を組み合わせながら、無理なく続けられる食事を心がけたいですね。

管理栄養士からアドバイス

花粉症対策として特定の食品が紹介されることがありますが、医学的には一つの食材だけで症状が大きく変わるとは考えにくいとされています。花粉症の季節には、次のような生活習慣を意識することがおすすめです。

  • 栄養バランスのよい食事を心がける
  • 十分な睡眠をとる
  • マスクやメガネを着用する
  • 外出後はうがいや洗顔を行う

花粉症の季節は、体調がすぐれないことで食事の準備がおっくうになることもあります。そんなときは完璧を目指すのではなく、取り入れやすいものから少しずつ意識していくことも大切です。食事・生活習慣・花粉対策を組み合わせて体調を整えることが、花粉の季節を少しでも快適に過ごすポイントになります。

まとめ

  • 花粉症は、IgE抗体やヒスタミンが関わるアレルギー反応の一つ
  • 食生活や生活習慣が症状の感じ方に影響する可能性がある
  • 特定の食品や栄養素に偏らず、さまざまな食材を組み合わせることが大切
  • 花粉対策とあわせて、日々の生活習慣を整えることも意識する

関連記事