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老化対策は食事から?健康寿命を支える栄養

老化対策は食事から?健康寿命を支える栄養

【この記事の監修者】

監修者プロフィール

山本友香梨(やまもと・ゆかり)

■肩書
管理栄養士
サプリメントアドバイザーとして栄養相談及び健康補助食品の接客販売を経験。その後は母校の大学助手として、マウスを用いた動物実験や人を対象とした臨床試験の研究に携わる。現在は阿部養庵堂薬品のヘルスコンサルタントとして、健康相談や製品説明などの窓口を担っている。
■所属学会・資格
食品衛生管理者・監視員、食育実践アドバイザー、日本臨床栄養協会

年齢を重ねることには、知識や経験が増えたり、人とのつながりが深まったりと良い面がたくさんあります。その一方で「疲れやすくなった」「体型が変わってきた」「物忘れが気になる」といった変化を感じる場面もあるのではないでしょうか。 せっかく長く生きるなら、できるだけ元気に自分らしく毎日を楽しみたいものです。 近年は、単に寿命を延ばすだけでなく元気に過ごせる時間を大切にする「ロンジェビティ」という考え方にも注目が集まっています。 その土台のひとつとなるのが毎日の食事だと感じています。今回は健やかに年齢を重ねるために意識したい食事と、健康寿命を支える栄養について管理栄養士の視点からお話しします。

Contents

体の内側ですすむ老化

老化というとシワや白髪、体型の変化など、見た目の変化を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際には、血管、骨、筋肉、脳、細胞など、体の内側でも少しずつ変化が起こります。 たとえば年齢とともに筋肉量が減ると疲れやすさや歩く力の低下につながり、骨密度が低下すると骨折のリスクにも関わります。また、血管や脳の働きの変化は体力や記憶力、集中力にも影響すると考えられています。

こうした体の内側の変化には、食生活、運動習慣、睡眠、ストレスなど、日々の生活習慣が関わっており、その中で注目されている要因のひとつが体内で発生する「活性酸素」です。

活性酸素は呼吸や代謝の過程で自然に生じるものです。体にとって必要な働きもありますが、過剰に増えると細胞や血管に負担をかけるため老化が進むといわれています。この状態は、よく「体のサビ」と表現されます。

老化を完全に止めることはできません。だからこそ毎日の食事や生活習慣を通して年齢を重ねても動きやすい体づくりを意識していきたいですね。 

老化対策で意識したい栄養素

若々しさを支える食事というと、特別な食品やサプリメントを思い浮かべる方もいるかもしれません。注目されている成分はたくさんありますが、基本になるのは毎日の食事でいろいろな栄養素を組み合わせることです。 

  • 抗酸化に関わる栄養素

ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、セレン、ポリフェノールなどは、酸化ストレスから体を守る働きに関わる栄養素として知られています。

色の濃い野菜、果物、ナッツ類、海藻類、魚介類などに多く含まれます。

たとえばいつもの食事に緑黄色野菜の小鉢を足したり、間食を果物やナッツに替えるだけでも取り入れやすくなります。最近ではアスタキサンチンやコエンザイムQ10なども注目されていますが、特定の成分だけに頼るのではなく食事全体のバランスを意識することが大切です。  

  • たんぱく質

年齢を重ねると筋肉量が落ちやすくなります。筋肉は歩く、立つ、姿勢を保つといった日常の動きに欠かせません。

肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを、1日3食の中でこまめに取り入れるのがポイントです。

「朝はパンとコーヒーだけ」という方は、卵やヨーグルト、納豆、豆腐などを少し足すだけでもたんぱく質を補いやすくなります。

  • カルシウム・ビタミンD・ビタミンK

骨の健康を考えるうえでは、カルシウムだけでなくビタミンDやビタミンKも一緒に意識したい栄養素です。

カルシウムは、骨や歯の材料となる栄養素で、乳製品、小魚、大豆製品、青菜類などに含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、鮭、さんま、いわし、きのこ類などに含まれています。ビタミンKは、骨の形成に関わるたんぱく質の働きを助ける栄養素で、納豆や緑黄色野菜などに多く含まれます。

たとえば朝食でよく見かける焼き鮭、納豆、きのこ類の味噌汁に牛乳を1杯加えると、骨の健康に関わる3つの栄養素をそろえやすくなります。組み合わせのひとつとしてぜひ覚えておきたいですね。 

  • DHA・EPA

DHAやEPAは、青魚に多く含まれる脂質です。DHAは脳や目の働きに関わる成分として知られています。

さば、いわし、さんま、あじ、ぶりなどを、週に数回取り入れるとよいでしょう。魚を焼くのが面倒な日はさば缶やいわし缶を使うのもひとつの方法です。味噌汁やサラダ、炊き込みご飯に加えると手軽に続けやすくなります。

  • 食物繊維と発酵食品

腸内環境を整えることも健やかな毎日を支えるうえで大切です。

野菜、海藻、きのこ、豆類、雑穀などに含まれる食物繊維に加えて、味噌、納豆、ヨーグルト、ぬか漬けなどの発酵食品も日々の食卓に取り入れてみましょう。和食はこうした食材を組み合わせやすい食事です。難しく考えすぎず「主食・主菜・副菜」をそろえることから始めてみてください。

実年齢だけではわからない「生物学的年齢」 とは?

最近では実年齢とは別に体の内側の状態を示す「生物学的年齢」という考え方が注目されています。生物学的年齢とは、細胞や組織、臓器などの状態をもとに、体の老化の進み具合をとらえる考え方です。 同じ年齢でも食生活や運動習慣、睡眠、ストレスなどによって体の状態には差が出ることがあります。医療機関によっては血管、骨、筋肉、脳、DNAの変化などを参考に生物学的年齢を算出するものもあります。

自分の体の状態を知ることで「もう少し歩こう」「魚を食べる日を増やそう」「朝食にたんぱく質を足そう」と、生活習慣を振り返るきっかけになるかもしれません。

 

管理栄養士からのアドバイス

日本は長寿国として知られていますが、大切なのはただ長く生きることだけではありません。できるだけ長く自分の足で歩き、食事を楽しみ、人と会い、好きなことを続けられること。こうした時間を長く保つことが健康寿命を考えるうえで大切です。 

老化対策というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、実際には毎日の食事や生活習慣の中で、できることを少しずつ続けていくことが未来の体を支えてくれます。

たとえばこんな小さなことからでも老化対策は始められます。

  • 朝食にたんぱく質を足す
  • 色の濃い野菜を一品増やす
  • 週に数回魚を食べる
  • 座りっぱなしの時間を減らす
  • 少し早めに寝る

どれも特別なことではないので「これならできそう」と思えるものを、まずはひとつ取り入れてみてください。体は毎日の食事からつくられています。これからの自分のために、いつもの食生活を少し見直すきっかけにしていただけたら嬉しいです。 

まとめ

  • 老化を完全に止めることはできないが、毎日の食事や運動、睡眠、ストレスなどの生活習慣が関わっている。
  • 体の内側の変化を意識するうえで活性酸素による酸化ストレスへの備えは大切な視点となる。
  • 健康寿命を支えるためには、抗酸化に関わる栄養素、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、DHA・EPA、食物繊維、発酵食品などをバランスよく取り入れることが大切。 
  • たんぱく質を足す、色の濃い野菜で一品増やすなど、 いつもの食事に足りないものを少し足すことが老化対策を考えるうえでの第一歩。

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